家づくりのプロセス
農業を継いだお孫様ご家族と祖父母様の住まいを、渡り廊下でつないだ二世帯住宅です。それぞれに玄関と生活空間を持ち、普段は独立して暮らしながら、必要な時には外へ出ずに行き来できます。
深めの色の木目を生かし、山のロッジやカフェを思わせる空間に仕上げました。裏側に勝手口を設け、農家の暮らしに合わせた裏動線を作ったことも重要な特徴です。大空間の楽しさと仕事や家事のしやすさを両立させた住まいです。
外観
片流れ屋根を組み合わせた大きな平屋は、広い敷地と周囲の風景に溶け込む、伸びやかな外観です。屋根や外壁の凹凸を抑え、雨漏りなどの原因となる箇所を減らすことで、将来のメンテナンスにも配慮しました。
中央には二世帯をつなぐ渡り廊下と、家族が集まれる屋外スペースを設けました。コの字型のウッドデッキが両世帯の掃き出し窓を結び、室内の渡り廊下だけでなく、外側からも互いの家へ移動できます。天気の良い日には焼肉をしたり、腰掛けてコーヒーを飲んだりできる、二つの家族の中間にある“もう一つの居間”です。

玄関〜リビング
お孫様世帯の玄関は、引き戸を開けるとリビングまで視線が通る大胆なつくりです。一般的な玄関ホールを設けず、石張りの土間と室内に段差をつけたスキップフロアで、玄関とLDKを緩やかに分けています。
石張り部分には床暖房を施工。冬でも足元が冷えにくく、雪で濡れた靴を置いても乾きやすいため、北海道の暮らしに適した実用性も備えています。
玄関脇にはシューズクロークを設け、靴や外用品をまとめて収納できます。窓のそばには猫用のステップやキャットウォークを設け、小動物も立体的に遊べる空間をつくりました。

大空間のLDK
約28畳のLDKは、勾配天井と現しの梁によって、大空間に仕上げました。建具を設けない和室もLDKと一体に見えるため、視線がさらに奥へ広がります。

カウンターキッチン・水回り
深い色のカウンターキッチンが空間の中心となり、背面の収納やパントリーとともに、生活感のあるものをすっきり収めます。キッチンを起点に、水回り、収納、寝室へぐるりと回れるため、広い家の中でも移動距離を抑えられます。

広々とした大空間ロフト
勾配天井を生かして設けたロフトは、漫画や趣味の品を置ける広々とした隠れ家です。吹き抜けを挟んで別の小さなロフトもあり、将来はその間に遊具用ネットを張って行き来できる構想もあります。構造上必要な梁を隠すのではなく、意匠と遊びに積極的に生かしました。

つながりのある水回り
農作業から戻った時は勝手口から入り、そのまま洗面脱衣室で手洗いや着替えを済ませ、ウォークインクローゼットや寝室へ移動できます。土や汚れをLDKへ持ち込みにくく、入浴、洗濯、収納までが短い動線でつながります。

規模 小規模建築物
敷地面積 2335.17㎡
延床面積 254.43㎡
種別 木造住宅平屋建て
家族構成 3人+2人(二世帯)
竣工日 2024/3/11
