家づくりのプロセス
三世代7人が暮らすK様邸は、限られた建坪の中に、1階3室、2階4室の居室を設けた住まいです。家族それぞれの部屋を確保する一方、みんなが集まるLDKには吹き抜けを設け、床面積以上の広がりを感じられるようにしました。
居室数と開放感のどちらも諦めず、空間を無駄なく使い切った設計です。K様のご要望により、内観・外観ともに白と黒でシックな雰囲気に統一しました。
外観
建物自体は端正な総二階ですが、正面の左右に袖壁を設け、その間を少し奥まって見せることで、平面的にならない表情をつくりました。玄関脇の照明は上下に光が広がり、上向きの光が軒裏を照らします。昼はすっきりとした佇まい、夜は店舗のような印象的なファサードを見せる外観です。

広い玄関ホール
玄関ホールは、扉を開けた瞬間に印象が残る空間を目指しました。正面には大きなニッチを設け、間接照明と絵を飾れるようにしています。
ホールを仕切るのは壁ではなく、縦格子のスクリーン。奥まで視線が通るため、実際の面積以上の奥行きが感じられるほか、トイレへの出入りを玄関から直接見えにくくする目隠しの役割も果たします。7人分の靴や外出用品を収められるよう、玄関脇には大容量のシューズクロークも設けました。

吹き抜け階段からの大開口
LDKの中心となるのが、リビングから二階へとつながる吹き抜け階段です。階段の手すりには視線を遮らないスケルトンのデザインを採用し、吹き抜けの大開口から入る光が、リビングからキッチンの奥まで届くようにしました。
階段を上り下りする時には外の景色や空が見え、家の中にいながら開放感を味わえます。南側の和室にも縦長の窓を並べ、住まい全体を明るく保っています。


キッチン&ダイニング
キッチンはダイニングとつながる対面型です。家族の人数が多くても動きやすく、料理をしながらリビング全体や和室の一部まで見渡せます。
設備は予算とのバランスを考えながら選び、天板やタッチレス水栓など、見た目と使い勝手を高める部分に重点を置きました。床は大理石のような白い空間というご希望に近づけつつ、冷たさや傷、日々の手入れを考慮して、白に近い木質フロアを採用しています。

和室
和室には、祖父母様が暮らしていた生家の欄間を再利用しました。もとの欄間を黒く塗り直し、ガラスの中に納めて壁面に設置。繊細な意匠をほこりや汚れから守りながら、白黒を基調とした新しい住まいになじませています。
黒に近い焦げ茶色の畳、仏間や床の間とも調和し、家族の記憶を次の世代へ受け継ぐ場所となりました。

規模 小規模建築物
敷地面積 331.95㎡
延床面積 154.01㎡
種別 木造住宅2F建て
家族構成 三世代・7人
竣工日 2024/3/11
